JRuby on Railsを始めるタイミング

Ruby on Railsといえば、Ruby知名度を一気に上げたWebアプリケーション フレームワークです。CRUD(create,read,update,delete)操作の土台となるコードを自動生成してくれる「Scaffold(スカフォールド)」や、簡単かつ効率的なO/Rマッピングフレームワーク「ActiveRecords」に初めて触れたとき、とても斬新で刺激的なものに思えました。それ以降のWebアプリケーション フレームワークに大きな影響を与えた、マイルストーン的なプロダクトと言えると思います。

そのRuby on Railsを、Java VMで動作するRuby処理系であるJRubyで動かすのがJRuby on Railsです。JITコンパイラなどの高速化技術が盛り込まれているJava VMは、Webアプリケーション サーバーに適しています。JRubyはかなり早い段階からRuby on Railsを意識して実装が進められていて、今週リリースされたJRuby 1.5でも、Ruby on Railsとの互換性を意識した改良が含まれているようです。

Ruby on Railsも、初めのうちは大きな改良がどんどん入るためにバージョン間の互換性が低く、運用で使うにはそれなりの苦労が伴うこともありました。しかし今では運用事例もあちこちで見かけるようになっており、まだ使ったことのない人も、もう一度やってみようかという人も、なにか作ってみるにはいい頃合いではないでしょうか。

来週は「JRuby on Rails実践開発ガイド (Professional Ruby Series)」が出ます。JRuby開発者が書いているということなので、内容には期待できそうです。目次を見ると、オンラインストアや、コンテンツマネジメントシステムCMS)など、実践的な内容のようです。また、Google App Engineで動かす方法など、最近の話題にも触れられているということなので、たいへん興味深い本になっていますね。チェックしてみたいと思います。